» ドンブラコン裏話のブログ記事

近年の大会では印刷物のプログレスレポートを発行しないことが多いですが、本大会では印刷物としてのプログレスレポートを5回発行しました。

そのためには、印刷費・郵送費・袋詰めの手間・印刷物保管場所などが必要です。
受付時にはがき一枚返送して、その後はWebのみで情報提供するのであればこれらは不要になり、一人あたりの参加費を1,000円~2,000円程度は下げられるのではないかと思います。
しかし、その場合でもWebが見られない方のための印刷物の発行は必要です。
約1割から2割の参加者が紙を要望しているという情報を過去の実行委員会から聞いていました。実際のところ私も申込時には紙のプログレスレポートを要望しています。

本大会では当初は紙を発行しないつもりでしたが、あったほうがよいという意見をいろいろ聞いたので、方針を変更しました。それらの意見を以下に掲載します。
・参加者毎に対応を変えるのはトラブルのもと。数人ならばともかく一割も要望があれば全員に送ったほうが良い。
・定期的に送付することにより住所変更などを把握するのが容易になり、必須である送付物の「星雲賞投票用紙」「参加証」を確実に送付するための布石になる。
・スタッフ会議での袋詰めがひとつのイベントになりスタッフ会議に参加する人が増える。
・官公庁や企業・マスコミなどに説明するときは紙があったほうがよい。
・紙があると参加している実感がわく。

紙を発行しないのであれば、これらの点をクリアできるようにしたほうが良いでしょう。

本大会では、実行委員会からお願いした司会以外にも大活躍の池澤春菜さんでしたが、このかたをお呼びしたのは実行委員長の趣味以外の何物でもありません。
もともと、ケロロ軍曹の西澤桃華役などが好きだったのですが、2010年4月に発売された「今日の早川さん」ドラマCDにおける池澤さんの演技とはおもえないSFマニアぶりに、これは正式に呼ばなければならないという電波がどこからか飛んできたような衝撃を感じました。
TOKON10にて大森望さんに紹介いただいて実際に動き出しましたが、TOKON10の時のようにオフに遊びに来るというのでは仕事が入ったら来られませんし、声の仕事をお願いすることもできません。所属事務所様のご理解と早川書房様のご協力のおかげで正式な仕事としてお呼びすることができました。
池澤さんの活躍の片鱗は今月発売のSFマガジン11月号の速報でうかがい知ることができます。12月号に掲載される池澤さんの大会レポートが楽しみで仕方ありません。

大会終了時に伺ったところ、大会が楽しすぎて期間中2冊しかSFを読めなかったとのこと。これだけ楽しんでいただけたことは実行委員長冥利につきます。

11月17日追記
SFマガジン12月号のレポートは、期待以上に面白く読むことが出来ました。レポートの中で触れられていた内容について、実行委員会側の事情や感じたことを書いていきます。

    おなかがすいた
    池澤さん以外のスタッフにも空腹を我慢していた人が多数いたと思い、実行委員長としての準備不足を反省します。スタッフや出演者を満足させなければ参加者の満足はありえないものと考えていきたいと思います。これについては別途項目を設けます。
    台本がない
    開会式の台本については数日前に出来上がっていたのですが、池澤さんだけでなく来賓挨拶をされた静岡市の長田辺信宏さんや作家の瀬名秀明さん、星雲賞を運営するファングループ連合会議などにも届けられていませんでした。このあたりは本大会として大いに反省し次回以降の大会に教訓として伝えるべき事項であると考えています。
    小さなお茶会

事務作業のうち大半を占めるのが、入金照合と発送物送付です。そして問合せの最大数が「申し込んだけれど送付物が届かない」すなわち、入金照合と発送物送付にまつわるものです。
この部分を実行委員会のスタッフでまかなえるのであれば、迷わず業務委託をしないことを奨めます。

それが難しい場合には業務委託を考える必要があるのですが、業務委託については、さまざまな範囲がありますので場合によって使い分ける必要性があります。安易に委託することは情報のコントロールができなくなりますので慎まねばなりません。

本大会では事務所を設置しない代わりに、有限会社T-CNETに申し込み受付業務を委託しました。

今回業務委託を行った会社は、日本SFファングループ連合会議議長の熊倉晃生さんが代表を努めており、主に電話対応をしていただいた方は奥様のユミ子さんで、どちらも大会運営を熟知している方でした。
そのため、印刷業者や旅行業者に委託した場合と比較すれば良い結果を得られたと考えています。

しかし、それでもさまざまな問題が発生しております。
業務委託を検討されている方は、慎重に検討したうえで実施をしていただきたいと考えます。

11月11日更新
以下に業務委託をするにあたって判断した経緯を詳細に記載していました。
しかし、委託を決定するにあたっては大会の個別の事情があり、さまざまな意見があるところを実行委員長の判断(独断)で実行したものであるため一般化できるものではありません。
そのため、ほかの実行委員会の判断を誤らせる可能性が高いと考えましたので消去しました。

本大会では、東海道線の車内から会場を見つけたその足で、カジュアルな服装でグランシップに飛び込みで「会場施設を見学させてほしい」と言ったところ、怪訝な顔をされましたがそれも当然です。普通は全館貸切をするイベントは綿密に計画を立ててしかるべき交渉をするものです。

偶然にもその日はほとんど予約がなく、会場のすべてを見ることができました。会議室の中よりも通路やバックヤードを集中的に見学し、音響や映像等の付帯設備の仕様や利用量について質問をしたことによって、本気で全館貸切を考えているのだという印象を持っていただけたようで、その日のうちに2011年の仮押さえをすることができました。
また偶然持っていた2008年のDAICON7の名刺と大会資料を渡して大会の説明も出来ましたが、このような綱渡りはすべきではないでしょう。

一般的に会議施設は全国大会や国際会議については通常の予約時期より早くから予約することが可能です。
グランシップの場合も、通常は2年前からの予約ですが会場はそれより前から仮押さえをしていました。
ホテルのバンケットを利用する場合は会議施設より融通が利きますが、どちらの場合にも会場のキーパーソンを押さえる必要があります。
会議施設であれば窓口の担当者ではなく現場の責任者と話をします。ホテルの場合であればバンケット責任者と話をします。この時点で最高責任者である会議施設の館長やホテルの支配人とは細かい話をする必要はありません。このような総責任者は公共の会議施設であれば自治体からの、ホテルの場合親会社からの出向が多く、現場の責任者が上申したことを決裁する場合が多いからです。窓口の担当者では、SF大会のように変則的な会場利用をすることの判断はできません。

この場合もコンベンション協会の項で述べたように、大規模な学会という話をすれば相応しい立場の方が出てこられるはずです。もちろんビジネスに相応しい服装で伺うのが望ましいでしょう。
説明する内容は、コンベンション協会と同様です。もし先にコンベンション協会に話を通しているのであれば、コンベンション協会に会合の場を設定してもらうのが良いでしょう。
本大会ではグランシップから静岡観光コンベンション協会を紹介して頂きましたが、通常のイベントの場合は逆のほうが楽です。

2008年11月 会場視察・仮押さえ
2009年07月 見積取得
2009年08月 施設見学会・グランシップの紹介で静岡観光コンベンション協会と顔合わせ
2009年09月 一般予約受付開始
2009年10月 日程確定・仮予約
2009年12月 立候補
2010年02月 日本SFファングループ連合会議による承認

立候補する前には幹部をあつめます。
信頼できる人にお願いしましょう。
本当に苦しいときに助け合える人。
お互いの悪い点を指摘し会える人。
このような関係の人にお願いしましょう。

自治体の公式イベントにすると、集客や地元企業に協力をいただくための交渉をするうえで大きなメリットがあります。

まず最初の窓口はコンベンション協会です。
通常は都道府県にひとつずつありますが、静岡の場合は管轄する地域によって、「浜松」「静岡」「富士山」「東部」「伊豆」の5箇所のコンベンション協会があります。
http://www.hellonavi.jp/convention/index.html
グランシップを管轄するのは、静岡観光コンベンション協会ですので、そちらに話をしに行きます。
ここで重要なのは、歴史のある全国イベントであるということを理解していただくことです。
大会自体に参加する人のほとんどはラフな服装ですが、こういう場に向かうときにはビジネスにふさわしい服装で向かいます。最低限クールビズ、可能ならスーツにネクタイで伺いましょう。
先方には飛込みではなくアポイントメントを取って伺います。アポイント際には以下のポイントを伝えます。
・50年の歴史があること。
・文化の発信になること。
・地元経済に貢献できること。
資料として大会の公式案内を作成し、過去の大会の発行物とともに持参します。
本大会の場合は、次のような資料を作成しました。
http://www.sf50.jp/assets/files/sf50/downloads/SF-Convention.pdf

コンベンション協会との連携をどれだけとれるかで、活動のしやすさが大きく変わります。
ここではSF大会の姿を正しく認識してもらう必要があります。

一番よくない言い方は「趣味の集まりです」。
これは単なる遊びのように受け取られます。
まずは「参加者1000人の全国大会を開催しますので協力をお願いします」と切り出します。
そうすると先方は1000人に反応して聞いてきますので、先に作成した資料を渡して順次説明していきます。
その内容を納得していただくために、過去の大会の資料を使います。たとえば、本大会では静岡市の後援をいただきましたが、そのために横浜市がワールドコンを後援したときの名義使用許可証を借りました。そして「横浜が後援してるのだから静岡も後援してほしい」とお願いをしたのです。
今回の許可証についても次回以降の大会にお貸ししますので、われこそはと思う方はご連絡ください。
また大会内部の資料ではなく新聞記事やTVニュースなどマスメディアの記録・大会の記事が掲載されているSFマガジンなどがあると説得力が高まります。

コンベンションには、都市型とリゾート型の二種類があります。
都市型は、会議場と宿泊施設が分かれているもの。
リゾート型は、リゾートホテルや大規模旅館を利用するものです。
都市型を実施するためには会議場と宿泊施設が近隣にあることが必須条件と言われています。
しかし今回の会場のグランシップは、周囲に大規模なホテルはまったくなく、徒歩圏内にはビジネスホテル一軒とラブホテル数軒しかありません。そのため公式合宿を準備することとしました。

ドンブラコンの場合は、もともと私が船を使ったイベントを続けており、それを陸上で船の形をした建物で実施するというコンセプトでした。
つまり形から入ったわけで、内容は通常の都市型大会を行なって特別なことは何もしないという方針でした。
50回大会ということで、それをテーマとしていろいろやるべきだという意見を古参ファンダムの方々から伺いましたが、結局それらは行いませんでした。
私が事務局長を務めたDAICON7では小松左京氏に提案いただいた「創造力の発信」をメインテーマとしていましたが、その重さに負けてテーマを活かした企画を作ることができませんでした。
そして、芯を通すものがなかったために、各担当がバラバラなうごきをして全体としてまとまりがないものになってしまいました。

これがあったおかげで大会の運営がブレなかったといえるでしょう。
内部的には本部のある12階を艦長室。11階を第一艦橋。10階を第二艦橋と呼んだり(これは後の休憩スペース、喫茶第二艦橋に続いています)、
当日の実行委員長は艦長帽をかぶって活動するなど、ちいさなことばかりですがスタッフが同じ方向を向いて動くことができ、そのおかげで大きな失敗をすることなく大会を終えることが出来たのだと思います。

これから数回にわたって、ドンブラコンの裏話を公開していきます。
今後大会を実施する方々の参考になればと思います。