前回に引き続き経理処理について述べます。
今回は、さまざまな経費の処理方法です。
事例についてはすべて税込経理で記載しています。

今回の事例には高額の交通費が記載されていますが、交通費などをどこまで実行委員会で負担するかは各実行委員会の方針によります。本大会では、国内イベント一件あたり一人の費用を経費として認めており、それを超える場合は別途判断としていました。

今回の事例はあくまでも例であり、実際の金額がこのとおりであったわけではありません
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経理処理は複式簿記を採用することを強く薦めます。
なれないと面倒ですが、今は便利な会計ソフトがありますので、それほど難しくはありません。
以下に大会の会計でよくある仕訳を記載します。

今回の事例はあくまでも例であり、実際の金額がこのとおりであったわけではありません
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イベントを運営するに当たっては、事業主体をどうするかを決定しなければなりません。
実行委員会と、事業主体は必ずしも同じものである必要はありません。
事業主体には大きく分けて以下のものがあります。これはおもに税金とかかわってきますので、詳しくは税務署または税理士と相談することをお勧めします。

    個人事業
    DAICON7がこの形態でした。
    実行委員長が無限責任を負います。
    人格なき社団
    大半の実行委員会がこの形態をとっています。本大会もこの形態でした。
    税務署に簡単な届け出を出すだけでよいので楽ですが、大きな利益や損失が発生したときに問題が起こりがちです。
    法人
    NPOや社団法人と、会社に大きく分けられます。
    第65回世界SF大会は、NPOで実施されました。
    会計的に問題が起こりにくく、社会的信用も高いのですが、法的な制約事項が最も増えます。
    特にNPOや社団法人の場合、目的と実際の大会の内容については所轄官庁から厳しくチェックされますのでご注意ください。
    イベント運営会社や旅行会社が事業主体となる場合もあります。合宿型の場合は旅行会社の企画旅行とする形態をとることがあります。

前年のTOKON10では、ゲスト招待状をEmailで送付するという試みを行い、一定の成果を得ましたが、逆に無礼であるというお叱りをいただくこともありました。

現時点では正式な招待状を電子化することは時機尚早であると考え、本大会では、以下の4点セットを郵送しました。

ご招待状

封筒

ご参加確認票

返信用封筒(料金受取人払)

招待状の文面はDAICON5の招待状を参考に、静岡観光コンベンション協会の助言を頂いて作成しました。

ご招待状
封筒
ご参加確認票 返信用封筒
(料金受取人払)

発送物を安くする方法として、メール便を使用することがよくあります。
ドンブラコンでもプログレスレポートの発送に、日本郵便のゆうメールを佐川急便が再出人になって安価に送付するサービス飛脚ゆうメールサービスを利用しました。
取次店にもよりますが、本大会では200グラムまで一通63円で契約していました。
普通郵便では120円~200円のところ、この金額で送れることは大きなメリットです。

しかし、すべてをメール便にするわけには行きません。郵便とメール便とは大きく違う点があります。
最大の違いは、メール便では信書が送れないことです。
総務省によれば、信書とは個人宛に個別の内容物を送るものとされています。
総務省 信書のガイドライン

つまり、プログレスレポートは大丈夫ですが、参加証は商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書に該当するため送ってはいけません。
本大会でも、参加証を含むプログレスレポート第5号のみ普通郵便で発送しました。

もう一つの違いは、郵便の転居届が反映されない、不達時の返送が保証されないなどがあります。
一般に不達率が3%程度と言われていますので、これについては対応するものと割り切ってメール便を使用しました。実際には予想よりも低い1%程度の不達率でした。

また、契約書や自治体への報告書等の重要なものについては、配達状況の追跡ができる日本郵便のレターパックを利用しました。レターパックは、350円と500円の二種類があり、500円の場合は書留と同様に手渡しが原則となり、350円の場合はポストに入れられることになるという違いがあります。
郵便局のレターパック案内ページ
本大会では手渡しを確実にするほどの重要性があるものは少なかったので、もっぱら350円のものを利用していました。

そして一件だけ、JAXAに対しての重要書類を送るために書留を利用しました。

地元との良好な関係を築くことが大会を成功に導く要素の一つであるといえるでしょう。
会場や地元の自治体・企業などにご協力いただく上で、地元住民の方々への貢献をすることは重要になっています。
そのため最近のSF大会では、大会に登録した人以外でも広く参加可能な無料公開プログラムや無料公開エリアを設ける場合が多くなっています。
特に都市型の中でも公共の会議場やコンベンションセンターを借りて行う大会では、地域貢献をすることにより借用条件を優遇していただいたり、自治体からのさまざまな援助がうけられたりしますので、積極的に公開していくことを薦めます。

前述したとおり、星雲賞の副賞は実行委員会が準備します。

例年趣向を凝らしたものが選ばれますが、本大会では奇を衒わず無難なものにしようと考え、地元工芸品の中から駿河漆器を選びました。これを選んだ理由としては、たしか2005年の副賞だったと思いますが、漆塗りの盾が落ち着いてよかったという印象があったことが大きいです。
静岡観光コンベンション協会の紹介で、土産物屋の駿府楽市よりいくつかの提案を頂いた中から、蒔絵フォトフレームを選定しました。
フォトフレームですから通常は写真をいれますが、今回は日本SFファングループ連合会議の協力により、正賞の賞状の縮刷版を作成して入れることとしました。

 データの確認に時間がかかってしまった。遅くなり申し訳ない。
 さて、ここまで長らくお付き合いいただいた静岡SFであるが、実は他にもまだまだ候補作はある。当初は10本集まるかどうかと危ぶまれたものだが、これまでに紹介されたものと合わせて堂々百本を超える候補作が集まった。感慨深い。
 静岡を舞台にしたご当地SFの発掘は、あまり省みられなくなっている作品の発掘という意味も含めて、非常に意義深かった。 最後に私たちが作成したリストを見ていただきながら、次に手を取る一篇の参考にしていただければと思う。
 次回は北海道SF。これまたガラリと異なる展開が期待できそうだ。
 ご縁があればまた次回、お会いしましょう。                                                          (評論賞チーム代表  高槻真樹)

【小説】
半村良『亜空間要塞』『亜空間要塞の逆襲』 (ともにハルキ文庫、入手困難)
 「質の日会」(=一の日会)のメンバーが伊豆の別荘で遭遇…とまるで「東京SF大全」と「静岡SF大全」をつなぐかのような作品。楽屋落ちネタ的な楽しさ満載。
菊地秀行「エイリアン黙示録」(朝日ソノラマ文庫、入手困難)
 菊地版高校生インディジョーンズというべき「エイリアン」シリーズの一冊。最終決戦の舞台が御殿場の工場とされている。
鯨統一郎「富士山大噴火」(講談社文庫)
 ケレン味たっぷりのタイトルそのままの、驚異の怪作。
有沢まみず「いぬかみっ!」(電撃文庫) 全14巻
 アニメにもなった人気ライトノベル。主人公の川平啓太は静岡県清水区(旧清水市)の出身。
柳美里「雨と夢の後に」(角川文庫)
 テレビドラマ化も話題になった幻想ホラー。終盤で浜名湖が登場する。
野尻抱介「ふわふわの泉」(ファミ通文庫、入手困難)
 浜松の高校の化学部で偶然できた立方晶窒化炭素「ふわふわ」をめぐる騒動を描いたライトノベル。「楽に生きたい」がモットーのヒロインの性格が静岡的? 第33回星雲賞長編部門を受賞。
京極夏彦「塗仏の宴」(講談社文庫)全2巻
 作者の代表作である妖怪シリーズの一冊にして、シリーズ最長の巨編。伊豆を舞台に繰り広げられる妖異と陰謀の数々を合理的に解釈していく作業は、SFファンからも注目された。

【特撮映画】
「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年東宝) 本多猪四郎監督
「地球防衛軍」 (1957年東宝)本多猪四郎監督
「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」 (1966年東宝)本多猪四郎監督
「大巨獣ガッパ」 (1967年日活)野口晴康監督
「フランケンシュタイン対地底怪獣<バラゴン>」(1965年東宝・米ベネディクトプロ) 本多猪四郎監督
「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995年大映・日本テレビ・博報堂)金子修介監督
 本編でも何度か紹介したが、特撮映画に富士山は欠かせないランドマークということなのだろう。その系譜はリアルな報道描写が話題となった近年の金子ガメラにも引き継がれている。静岡第一テレビのアナウンサーが臨時ニュースを実際に読み上げた。
「亡国のイージス」(2005年日本ヘラルド・松竹)阪本順治監督
「戦国自衛隊1549」 (2005年角川映画・東宝)手塚昌明監督
 ともに福井晴敏原作。「戦国自衛隊」は半村良作品を原案としているが直接の関連はなく、富士山麓の演習場から物語が始まる。

【コミック】
望月峯太郎「ドラゴンヘッド」(講談社)全10巻
 冒頭の新幹線事故が起きるのは浜松。映画化もされ、話題を呼んだ。
黒田硫黄 「茄子 富士山の戦い」(講談社)
 茄子を主人公にしたユニークな連作短編集全3巻のうち、第3巻の冒頭を飾る作品。富士山頂で茄子の怪物と戦うSFアクション篇。
芦奈野ひとし「カブのイサキ」(講談社)「アフタヌーン」連載中、4巻まで刊行
 地理的スケールが10倍になった世界での飛行機乗りたちの日常。3巻あたりから静岡篇に入り、11年9月現在、37760メートルの巨峰となった富士山に登山中。
丸川トモヒロ「成恵の世界」(角川書店)12巻まで刊行
 浜松を舞台にした中学生の少年と宇宙人の少女のラブコメ、なのだが、タイトル自体が「非Aの世界」のもじりであり、SFへの愛情に満ちた展開となって いる。アニメ化もされたが原作はまだ連載が続いており、先日最新12巻が発売されたばかり。
くぼたまこと「仮面レンジャー田中」(ジャイブ)全1巻
       「超絶変身!!アースカイザー」(講談社)全2巻
 ともに話題となった「天体戦士サンレッド」と同じ世界を舞台にし、ダーティな正義の味方や人情味あふれる悪の怪人たちの掛け合いが楽しい。どちらも舞台は静岡。

【SFノンフィクション】
小松左京「日本イメージ紀行」 (電子書籍版・全集31巻収録版は入手可)
 東日本を旅し、弥生以前の原日本文化を探るSF紀行。冒頭に「黒潮に秘められた伊豆七島の謎」が置かれている。

【アニメ】
 こちらも特撮系アニメに静岡を舞台にしたものが多い。本篇で扱った「新世紀エヴァンゲリオン」もその系譜上にあるのだろう。
「プランゼット」(2010年コミックス・ウェーブ・フィルム・メディアファクトリー) 粟津順監督
 「惑星大怪獣ネガドン」で注目された粟津順監督によるフルCGアニメの第二弾。侵略宇宙人との最終決戦の舞台が静岡の基地。富士山が巨大熱線砲台となる。
 以下は簡単に記す。静岡SFといえるかどうかは賛否両論あると思うが、参考としてみていただければと思う。
「大空魔龍ガイキング」(御前崎市)
「無敵超人・ザンボット3」(焼津市)
「マジンガ-Z」(光子力研究所が富士山麓の静岡県側に所在)
「宇宙ショーへようこそ」(静岡らしきワサビ産地が舞台)
「月面兎兵器ミーナ」(御前崎市が一部登場)
「きんぎょ注意報!」(磐田郡)
「怪物王女」(笹鳴町:浜松市中区佐鳴台がモデル)
「仮面のメイドガイ」(蒼木ヶ原市秀峰町:静岡県内で富士山が近い)

【ゲーム】
「サイレントヒル」
 舞台はアメリカじゃなかったか…とツッコミが入りそうだが、実は本来モデルとなったのは静岡(=サイレントヒル)だという説がある。
「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」
 浜松市のプラネタリウムを舞台にした近未来SF。シナリオ担当は「青猫屋」で第10回ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した涼元悠一。
「スーパーロボット大戦」
 ガンダムやマジンガーZなど人気ロボットが競演する人気シリーズ。作品中に伊豆基地が登場する。
「FRONT MISSION3」
 軍事シミュレーションRPG。序盤で沼津港が舞台。

【境界系ややSF寄り】
井原祐司「DOLL MASTER」(メディアワークス、コミック)
静岡市を舞台にフィギュア師の日常を描く。
ばらスィー「苺ましまろ」(メディアワークス、アニメ・コミック)
小学生女子四人組と大学生の姉の掛け合いで展開する不条理マンガ。舞台は原作者の出身地でもある浜松市。アニメ版ではややぼかされているが、姉の免許証に「静岡県」と書かれていたり、小学校の黒板に「静岡県」と大書されていたりする。
「ハヤテのごとく!第2期」15~17話(アニメ)
 この3話は、熱海・下田が舞台。
「ぼくのなつやすみ2」(ゲーム)
 舞台は伊東市。
「ラブプラス+」(ゲーム)
 熱海市が舞台。実際に温泉街とタイアップし、話題を呼んだ。
田宮俊作「田宮模型の仕事」(文春文庫、ノンフィクション)
 大会参加者ならご存知、田宮模型のヒストリー。

【境界系非SF寄り】
さくらももこ「ちびまる子ちゃん」(りぼんマスコットコミックス)
 舞台は旧清水市。「ノストラダムスの大予言」などはSFファンにも有名。
天野こずえ「あまんちゅ!」(コミック、マッグガーデン)3巻まで刊行
 伊東・伊豆市を舞台に、高校ダイビング部の日常を描く。
横溝正史「女王蜂」(推理小説、角川文庫)
 伊豆沖の架空の島・月琴島が舞台。
白井喬二「富士に立つ影」(時代小説、ちくま文庫、入手困難)全10巻
 荒唐無稽・波乱万丈にして不条理かつ思弁的な架空歴史小説。映画にもなっている。
三島由紀夫「天人五衰」(新潮文庫)
 主人公が次々と転生していく幻想譚連作「豊穣の海」の第四部。清水港が舞台。
大江健三郎「燃え上がる緑の木第三部大いなる日に」(「大江健三郎小説」10巻収録)
 伊豆高原が、主人公サッチャンの蘇生の地。

 静岡を舞台にした純文学作品のうち、メンバーから提案があった作品も挙げておく。幻想度には幅があるが、いずれも静岡の地が作品の中で重要な位置を占める。SFといえるかどうかは ぜひあなた自身で判断してみてほしい。以下のものはネット上で全文を読むことができる。
泉鏡花「斧・琴・菊」
http://web-box.jp/schutz/pdf/ykgtk9.pdf#search=’斧・琴・菊’
岡本綺堂「修善寺物語」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card45457.html
島木健作「赤蛙」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000008/card7.html
森鴎外『澁江抽斎』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/card2058.html

昔話「金太郎」
 舞台はあまり意識されることがないが、足柄峠は静岡県駿東郡小山町にある。現地には今も金太郎を奉る金時神社がある。

星雲賞の運用については例年以下のように実施しています。

1月~2月

【連合会議】加盟団体より参考候補作の推薦

3月ごろ

【連合会議】大会実行委員会に参考候補作の連絡

4月ごろ

【大会】大会から星雲賞投票用紙と参考候補作リストを参加者に郵送
【連合会議】参考候補作発表・投票受付開始

大会2ヶ月前ごろ

【連合会議】投票締切・集計

大会1ヶ月前ごろ

【連合会議】受賞作の内定
【連合会議】実行委員会星雲賞担当者への通知
【連合会議】受賞者に内定連絡
【連合会議】正賞(賞状)の作成
【大会】受賞者に招待状送付
【大会】副賞の作成

大会当日

【連合会議】総会により受賞作の決定
【大会・連合会議】星雲賞授与式の実施
【大会】投票者に記念品を贈呈(5~10名 翌年度大会の参加権など)

事前発表は特例でしたが、それ以外で星雲賞について気を使ったことがあります。

それは、大会として特定の作品を応援しないことです。
日本SFファングループ連合会議の規約にあるように、星雲賞はSF大会の参加者が投票によって決定します。これは純粋なファンによって与えられるものであり、恣意的な意思が介在してはいけないと考えます。
特に接戦が予想される場合などに参考候補作に挙がった作家と交渉する場合などは気を遣いました。仮に受賞が確実にみられても下手に受賞をほのめかす発言をしてしまうと、星雲賞が出来レースではないかという誤解を与え、その年の大会だけではなくSF大会全体に対する悪影響があると私は思います。

私も本当は「宇宙犬作戦」をもっと応援したかったのですが、実行委員長をしていた間は友人に勧誘するぐらいで公式な場所での発言やblog・SNSなどの書き込みは差し控えていました。